BPOコンサルタントとは?業務内容や年収、必要スキルなどを徹底解説
更新日:12月23日
BPOコンサルタントへの転職やフリーランスのコンサルタントを目指している方にとって、まず気になるのはBPOコンサルタントの業務内容や年収ではないでしょうか。
この記事では、BPOコンサルタントについて以下のことを解説します。
BPOコンサルタントに関するよくある質問にも回答していますので、ぜひ最後までお読みください。
BPOコンサルタントとは
BPO(ビジネス・プロセス・アウトソーシングコンサルタントは、企業の業務プロセスを最適化し、外部に業務を委託(アウトソーシング)する支援を行う専門家です。
企業がコスト削減や業務効率化を目指す際に、どの業務を外部に委託すべきか、その際の委託先を選定するためのコンサルティングを行います。
BPOコンサルタントの役割
BPOコンサルタントは、業務プロセスの最適化から委託業務の選定、運用管理、継続的な改善までを包括的にサポートします。
企業にとっては、業務の外部委託を通じてコスト削減と業務効率の向上が実現できるため、結果として全体的な競争力を強化することに繋がります。
BPOコンサルタントとその他コンサルタントの違い
BPOコンサルタントの業務は、業務を外部に委託するプロセスを専門とし、業務効率化とコスト削減を外部リソースの活用によって実現します。
例えばITコンサルタントやERPコンサルタント、CRMコンサルタント、業務改善コンサルタントなどのコンサルタントは、主に企業内部のシステムやプロセスに焦点を当てますが、BPOコンサルタントは外部パートナーの活用を通じて、より広範囲な業務効率化を目指します。
この点でBPOコンサルタントは、その他のコンサルタントとは異なる独自の役割と価値を提供しています。
BPOコンサルタントの主な仕事内容
BPOコンサルタントの主な業務内容を解説していきます。
基本的には以下の4つに大別できます。
業務プロセス分析
BPOコンサルタントはまず、企業の内部業務を詳細に分析します。具体的には、業務フロー、コスト構造、リソース配分などを精査し、非効率なプロセスを洗い出します。
この段階では、どの業務が外部に委託可能であるかを判断することが重要です。
委託業務の選定と外部パートナー選び
次に、外部に委託する業務を絞り込みし、適切なアウトソーシング先を選びます。これには、BPO業者のパフォーマンスやコスト、セキュリティ体制を評価するプロセスが含まれます。
契約交渉・運用管理
委託業務の契約交渉や、委託後の運用管理もBPOコンサルタントの役割です。契約内容の適正化や業務品質のモニタリングを通じて、成果物のクオリティや期限遵守を確保します。
継続的な改善提案
BPOプロジェクトが開始された後も、継続的にパフォーマンスを分析し、さらに効率化の提案を行います。
BPOコンサルタントの年収
BPOコンサルタントの年収は、業界や職務内容、経験年数、企業規模に大きく左右されます。
一般的に、BPO業界のコンサルタントの平均年収は約500万円〜800万円程度です。
また就業形態によっても収入が変化します。
正社員
大手転職支援サイト「マイナビAGENT」によるとおよそ660万円が平均年収とされています。
内訳を見ると20代の平均年収が638万円、30代が611万円と年齢に関係なく実力によって評価される環境であることが分かります。
BPOコンサルタントは経験やスキルによって年収を上げることが可能で、大手コンサルティングファーム「アクセンチュア」の平均年収は865万円にのぼります。
出典:BPR・BPOコンサルタント|職種別平均年収ランキング【2020年版】│求人・転職エージェントはマイナビエージェント
フリーランス
弊社が運営するフリーコンサルタント向け案件紹介サービスの「POD」のBPOコンサルタント案件を見ると、100%稼働の場合の相場は100〜150万円となっています。
契約期間は案件によって異なりますが、1ヶ月と仮定すると、1,200〜1,800万円の年収が見込めます。
また、中には40〜60%の稼働で100〜150万円の案件もあり、会計の知見やプロジェクトマネジメント経験がある方は、より高い年収を望めるでしょう。
フリーコンサルタントを目指している方は、ぜひPODを利用してご自身に合った案件を探してみてください。
BPOコンサルタントに必要なスキル5選
BPOコンサルタントとして活躍するためには、どのようなスキルが必要なのでしょうか?
求人サイトやフリーランス向け案件の募集要項を見ると、特に求められているのが以下のスキルです。
- プロジェクトマネジメントスキル
- データ分析スキル
- ITインフラとシステム導入の知識
- 人材管理とリーダーシップ能力
それぞれ詳しく解説していきます。
1.プロジェクトマネジメントスキル
プロジェクトマネジメントの知識は、BPO(プロジェクトの計画、実行、監視、そして完了までを効果的に管理するために不可欠です。
PMP(Project Management Professional)資格を持つことで、プロジェクトの進行を効率的に管理し、クライアントの要望を的確に反映する能力が証明されます。
2.業務プロセス最適化スキル
業務プロセスの改善や効率化を目指すBPOプロジェクトでは、Six SigmaやLeanの知識が重要です。
これらの資格を取得することで、スキルを活かして業務の無駄を削減し、品質を向上させるための具体的なアプローチを提供できます。
3.データ分析スキル
BPOコンサルタントは、クライアントの業務効率を高めるためにデータドリブンなアプローチを採用する必要があります。
SQLやBI(Business Intelligence)ツールの操作能力があれば、業務データを分析し、改善提案をデータに基づいて行うことが可能です。
4.ITインフラとシステム導入の知識
BPOでは、クライアントの業務をITインフラに乗せ替えることが多いため、ITインフラの基本的な知識やERPシステムの導入経験が求められます。
システム設計やインフラ整備に関する知識があれば、効率的な業務環境を提供できます。
5.人材管理とリーダーシップ能力
BPOプロジェクトでは、多様なチームを率いるリーダーシップ能力が必要で、チームの生産性を最大化するためのモチベーション管理や、人的資源の最適配置が求められます。
BPOコンサルタントに求められる4つの成果
BPOコンサルタントの仕事では、クライアントの業務プロセスを最適化し、効率化を図ることが主な役割です。
具体的には以下の4つの成果をクライアントに提供する必要があります。
- 業務プロセスの最適化と効率化
- コスト削減の実現
- 品質の向上とリスク管理
- 新しい技術の導入支援
それぞれ詳しく見ていきましょう。
1.業務プロセスの最適化と効率化
BPOコンサルタントは、クライアントの業務フローを分析し、無駄を排除し効率的なプロセスを構築することが求められ、業務の外部委託部分を含めた全体最適の視点からの改善を行います。
2.コスト削減の実現
業務プロセスの改善を通じて、クライアントのコストを削減することが大きな成果の一つです。
これは直接的な費用削減だけでなく、時間の節約やリソースの最適配置による間接的なコスト削減も含まれます。
3.品質の向上とリスク管理
業務の品質を向上させることは、BPOプロジェクトにおいて極めて重要です。
BPOコンサルタントは、業務フローの改善だけでなく、リスクを適切に管理し、クライアントのビジネスに可能な限り影響を与えないようにする必要があります。
4.新しい技術の導入支援
クライアントが最新の技術を取り入れることで、業務効率をさらに高めることが期待されます。
BPOコンサルタントは、ITインフラの最適化や自動化技術の導入を支援し、クライアントが競争優位を得られるようサポートします。
BPOコンサルタントに向いている人の5つの特徴
BPOコンサルタントに向いている人の特徴は、以下の5つが挙げられます。
- 問題解決能力が高い
- コミュニケーションスキルが優れている
- データ分析や業務プロセスに興味がある
- 柔軟性や適応力がある
- リーダーシップを発揮できる
活躍しているBPOコンサルタントに共通する特徴ですので、ぜひ参考にしてみてください。
1.問題解決能力が高い
BPOコンサルタントは、クライアントの業務プロセスにおける問題点を見つけ出し、それを解決するための戦略を立案する役割を担います。
複雑な問題に対して論理的にアプローチし、解決策を提案できる人は、この職業に非常に向いています。
2.コミュニケーションスキルが優れている
BPOコンサルタントは、クライアントやチームメンバーとの密接なコミュニケーションが求められます。
特に、クライアントのニーズを正確に理解し、それに応じた提案を行うための対話力が重要です。また、複雑な概念やプロセスを分かりやすく説明する能力も必要です。
3.データ分析や業務プロセスに興味がある
BPOコンサルタントは、細かいデータを読み解き、そこから有効なインサイトを引き出して業務改善に役立てることができる能力が求められます。
データに基づいた分析や、業務プロセスの最適化に興味を持つ人は、この職業に向いています。
4.柔軟性や適応力がある
BPOコンサルタントは多岐にわたる業界や企業文化に関わるため、異なる環境や状況に迅速に適応できる柔軟性が求められます。
変化が多い業務に対して柔軟に対応できる人は、BPOコンサルタントとして成功しやすいです。
5.リーダーシップを発揮できる
BPOコンサルタントには、プロジェクトチームをリードし、一つにまとめて成果を出すためのリーダーシップが必要です。
リーダーシップを発揮し、他者を導くことができる人は、クライアントからの信頼を得やすく、プロジェクトを成功に導くことができます。
BPOコンサルタントになるには
BPOコンサルタントになるには、どのようなキャリアを形成していく必要があるのでしょうか?
会社員として就職する場合やフリーランスとしての独立など、さまざまなキャリアプランをご紹介します。
会社員として企業に就職する
大手コンサルティングファーム
BPOコンサルタントとしてのキャリアをスタートさせるには、まずは大手コンサルティングファームを検討すると良いでしょう。
これらの企業は、多様な業界にわたるプロジェクトを抱えており、BPO関連の案件も豊富です。
経験を積むためには、プロジェクト管理や業務改善に強いファームが適しており、代表的な企業には、アクセンチュアやデロイトなどが挙げられます。
専門のBPOプロバイダー
既にBPO業界に関する知識や経験がある場合は、専門のBPOプロバイダー企業に就職するのも一つの方法です。
これらの企業では、特定の業務プロセスに焦点を当てた専門的な知識を深めることができ、クライアントに対して直接的な影響を与える機会が多いです。
ITサービス企業
ITインフラやシステム導入に強みを持つITサービス企業も、BPOコンサルタントとしてのキャリアを積むのに適しています。
これらの企業では、テクノロジーを活用した業務プロセスの最適化を提案するスキルを身につけることができ、既にIT業界での経験がある場合は特に転職の際有利です。
エージェントを活用する
転職エージェントを利用
BPO業界に特化した転職エージェントを活用するのも有効です。
こうしたエージェントは、BPOコンサルタントとしてのキャリアパスを理解しており、あなたのスキルセットにマッチしたポジションを提案してくれるでしょう。
また、特定の業界やクライアントに精通したエージェントは、より高い付加価値を持つ案件を紹介してくれます。
フリーランスエージェントを活用
既に業界内での実績があり、より柔軟な働き方を求める場合は、フリーランスエージェントを活用するのも良いでしょう。
コンサルティング経験が豊富であれば、短期プロジェクトやスポットコンサルティングなど、自分のスケジュールに合わせた案件を獲得できます。
特に、大手企業のプロジェクトに参画しているようなエージェントを選ぶと、経験値が高まり、キャリアの幅が広がります。
たとえばコンサルタント専門のエージェントサービスPODでは稼動率40~100%のBPOコンサルタント案件が多数あります。非公開案件も豊富に取り扱っているため、条件面でも納得の案件獲得につなげられます。
PODサイトには全体の15%程度の求人のみが掲載されており、その他にも85%の非公開求人があります。
フリーコンサルタントを目指している方は、ぜひPODサービスを利用してご自身に合った求人を探してみてください。
個々の状況に応じて最適な方法を選ぶ
業界内転職を考えている場合
既にBPO業界や関連する分野で働いている場合、まずは社内異動の可能性を検討することが賢明です。
社内での移動は、既存のネットワークを活用できるだけでなく、新しいスキルや知識を習得するためのタイムロスが少なく、既に信頼関係があるため、新しい役割に迅速に適応できる可能性が高いでしょう。
新しい業界に挑戦したい場合
異業種からの転職を考えている場合は、まずはその業界での基礎的な知識を習得することが重要です。
例えば、業務改善やプロジェクト管理に関する知識をオンラインコースやセミナーで学び、その後、エージェントを通じて関連企業への転職を目指すのが効果的です。
BPOコンサルタントの主なキャリアパス
BPOコンサルタントとしてキャリアを形成する方法は以下の通りです。
それぞれ詳しく見ていきましょう。
ファーム内で昇進する
BPOコンサルタントとしてのキャリアは、まずプロジェクトアシスタントやアナリストとして経験を積んだ後、プロジェクトマネージャーやシニアコンサルタントの役割に昇進することができます。
この段階での年収は、700~1,000万円程度が一般的です。
長期間の実績を積み上げ、業界内での信頼を得ることで、ディレクターやパートナーといった役職に昇進することが可能です。
これらの役職では、会社の経営にも関与し、さらに高収入が期待できます。
関連職種へ転職する
BPOコンサルタントとしての経験を積んだ後は、ITコンサルタントやビジネスアナリスト、さらには企業内での業務改善担当者としてのキャリアも選択肢に入ります。
これにより、収入の向上や新たなスキルの習得が期待できます。
フリーランスとして独立・起業する
BPOコンサルタントとして将来的に独立・起業を考えている方も増えています。
コンサルティングファームの看板に頼ることなく、自身のスキルや経験で社会貢献していくことは大きなやりがいを感じられるでしょう。
フリーランスであれば好きな案件を選べるため、キャリア形成における自由度が高いことがメリットですが、自身のキャリアを考えて案件や仕事を戦略的に選び取ることが必要です。
BPOコンサルタントに関するよくある質問
BPOコンサルタントは激務ですか?
BPOコンサルタントの仕事は、プロジェクトの進行状況やクライアントのニーズによって、時期的に忙しいことがあります。
特に、プロジェクトの立ち上げや重要なマイルストーンに近づくと、納期を守るために長時間労働が求められることも少なくありません。
しかし、これはコンサルティング業界全般に見られる特徴であり、その分プロジェクトが成功したときの達成感や成長の機会も大きくなります。
どのくらいの頻度でクライアントと会う必要がありますか?
BPOコンサルタントは、クライアントとの密なコミュニケーションが必要です。
クライアントの業務プロセスを理解し、改善提案を行うため、定期的なミーティングや報告会があります。
頻度はプロジェクトによりますが、週1回~月数回のペースでクライアントとの会議が行われることが一般的です。
海外出張や転勤は多いですか?
BPOコンサルタントは、グローバルなプロジェクトに携わることが多く、クライアントが海外に拠点を持つ場合は、海外出張が発生することもあります。
ただし、現在ではリモートワークの普及により、オンラインでのミーティングが主流となり、出張の頻度は以前に比べて減少傾向にあります。
転勤については、企業の方針やプロジェクトの規模によりますが、全国規模での対応が求められる場合には、転勤の可能性もあります。
ワークライフバランスは取れますか?
BPOコンサルタントの仕事は、プロジェクトのスケジュールに左右されるため、忙しい時期にはワークライフバランスが崩れることもあります。
ですが、多くの企業ではフレキシブルな働き方を推奨しており、プロジェクトが落ち着いた時期にはリモートワークや休暇取得が奨励されるケースも増えています。
働き方を工夫し、自分自身でスケジュールを管理できる力が求められます。
キャリアアップは見込めますか?
BPOコンサルタントは、キャリアアップのチャンスが豊富にあり、経験を積むことでプロジェクトマネージャーやシニアコンサルタントといったポジションに昇進することが可能です。
また、BPOの経験を活かして、他のコンサルティング分野や企業の業務改善部門へのキャリアチェンジも可能です。
市場価値の高いスキルを習得することで、収入やポジションの向上を見込むことができます。
まとめ
BPOコンサルタントの業務内容、年収、必要スキル、さらにはBPOコンサルタントになるための方法やキャリアパスについて解説してきました。
業務を外部に委託するプロセスを専門とし、業務効率化とコスト削減を外部リソースの活用によって実現します。
BPOコンサルタントは安定した需要があり、スキルや経験によって高年収が見込める職種ですので、キャリアアップや転職などを検討している方は参考にしてみてください。
本記事が、BPOコンサルタントのキャリアを形成する一助となれば幸いです。