ECコンサルタントの年収は?業態、企業、年代、業務別に解説

更新日:12月21日


クライアントのECサイトを最適化し、売上アップや業務改善を行う職種がECコンサルタントです。近年ECサイトの増加を受けて、高年収が期待できる職種でもあります。


今回の記事では、これからECコンサルタントを目指す方や現役ECコンサルタントの方のために、ECコンサルタントの業態、企業、年代、業務別の年収について解説します。年収を上げる方法についても解説していますので、ぜひ参考にしてください。




目次




ECコンサルタントの形態別の平均年収





求人サイトでリサーチしたECコンサルタントの年収相場は、300~1000万円と開きがあります。業務形態の違いやECコンサルタントとしての経験、副業の有無でも、ECコンサルタントの年収は変動します。


ECコンサルタントの業務形態別の平均年収を順に解説します。


正社員


Webマーケティング会社やコンサルティングファームに正社員として就職した場合の平均年収は300~1000万円です。勤務年数や企業の規模に応じて変動します。たとえば新卒入社時の平均年収は300~500万ですが、勤続5年以上で500万円以上10年以上で750万円以上になることもあるでしょう。


フリーランス


独立し、個人事業主または自分で法人企業を立ち上げてECコンサルタントとして活動する方法です。PODのECコンサルタント案件をリサーチしたところ、稼動率80~100%、報酬100~150万円が平均のため、年収に換算すると960~1800万円になります。


正社員+副業


ECコンサルタントの正社員として働きながら、フリーランスの副業を行う方法もあります。ECコンサルタントの正社員の平均年収300~1000万円に、土日のみ副業と想定して稼動率20%報酬100~150万円の案件の報酬をプラスすると、平均年収540~1360万円が目安です。





企業の規模別ECコンサルタントの年収





求人サイトのリサーチ結果から、企業の規模別のECコンサルタントの年収を以下にまとめました。


  • 中小規模(未経験者から):400~600万円
  • 中小規模(経験者):600~800万円
  • 大規模:1000~1600万円
  • 大規模(ベテラン):1200~3000万円

企業の規模によっても大きく年収幅があり、ECコンサルタントとして業界トップ企業につとめると、高収入が期待できます。トップ企業は優秀なコンサルタントを確保するために、好待遇を用意していることが多いためです。


ECコンサルタントのトップ企業には「NTTコムオンライン・マーケティング・ソリューション株式会社」「株式会社インフキュリオン」「エキサイト株式会社」などがあります。





ECコンサルタントの業務内容





ここからは、ECコンサルタントのおもな業務内容を紹介します。


戦略立案


戦略立案とはECサイトの売上アップや改善のための戦略を立てて、ECサイトへ行うさまざまな施策を提案することです。まずクライアントにヒアリングを実施し、ECサイトで発生している課題や悩み、クライアント企業の持つ強みや魅力などを洗い出します。


その後、競合他社のECサイトを分析し、洗い出しと分析結果からKPIを設定します。ECサイトや事業の最終目標が売り上げアップだとしても、最終目標を達成するための指標としてKPIが設定されます。ECサイト改善におけるKPIはセッション数、CV数、CVR、平均購入単価などを指標として設定することが多いです。


その後、ECコンサルタントはKPIを達成するための具体的な施策を立案します。


ECサイト制作


KPIの設定後、新規EC事業立ち上げやスタートアップ企業などでECサイトをまだ持っていないときには、ECサイトの制作に関する業務を担うこともあります。ECコンサルタント自身に制作スキルがあれば自分で制作を担うこともできますが、なくても問題ありません。


ECサイトを構築するパッケージやプラットフォームの選定や、ECサイト上での操作性やUIなどの面でのアドバイスを行うこともあります。


オンライン集客


ECサイトのターゲットとなる見込み客を集客するために、以下のようなオンラインでの施策を実行します。


  • SEO(検索エンジン対策、コンテンツマーケティング)
  • MEO(Googleマップエンジン対策)
  • SNS対策(Instagram、Facebook、Twitterなど)
  • Web広告(Google広告、Facebook広告など)
  • CRM施策(メールマガジン/LINEなど)
  • 記事広告(純広告/タイアップ記事など)
  • PR(PressReleaseなど)

株式会社リンクアンドパートナーズがEC事業担当者を対象に行った調査によると、オンライン集客の施策として行われているのは上位から「リスティング広告」(32.1%)「SNS・LINE広告」(31.6%)「SEO対策」(27.2%)の順でした。ECコンサルタントとしては、Web広告、SNS・LINE広告、SEO対策への強みが今後求められると言えるでしょう。


オフライン集客


ECコンサルタントはオンライン集客だけでなく、オフラインでECサイトへの集客施策を行います。たとえば実店舗を持っている場合には、実店舗のSNSアカウントを開設してセールやキャンペーン情報を発信する、ECサイトから注文し実店舗で品物を受け取るオムニチャネルを展開をするなどの施策を行います。


チラシや協力企業とのタイアップといった、アナログ面での施策もオフライン集客に含まれます。


サイト改善


売上面でのKPIが達成されなかったときは、ECサイトの改善を行います。以下のような、商品のクリック率や平均購入単価向上のための施策を実行します。


  • ボタン・バナーの色や位置の変更
  • テキストの内容や文字サイズの変更
  • 商品またはサービス紹介ページの構成変更
  • カートの操作性の改善
  • 決済の操作性の改善
  • 商品ページからカートまでの動線変更
  • 入力フォームの項目、内容の変更
  • 画像や写真の見直し
  • お客様の声やレビューのチェック など

改善後はABテストを繰り返し、もっとも効果の高い組み合わせを見つけ、ECサイトに反映させます。





ECコンサルタントの年収が高い理由





ECコンサルタントは安定した需要が見込める職種のため、高い年収が得られます。ECコンサルタントの年収が高い理由を順に解説します。


EC事業者やサイトに増加傾向が続いている


近年のインターネットの普及や、新型コロナウイルス感染症による非対面非接触での購入体験ニーズの増加、DtoCビジネスの台頭にともない、EC事業者やサイトの増加傾向が続いています。


実店舗のみでの展開では競争力が落ちてしまう企業のECニーズに対応するために、新規EC事業立ち上げやECサイト制作のうえで、ECコンサルタントのニーズが高まっていると言えるでしょう。


EC事業者間での競争の激化


EC事業者やサイトが増加すればするほど、当然ながら事業者やサイト間での競争は激化します。乱立するECサイトの中で生き残るためには、利益を上げるためのECサイトの改善や、集客のための施策が必要です。


そのため、ECサイトの運営や改善に関する専門的なノウハウを持つECコンサルタントが求められています。特にECサイトに関するデジタル、IT分野でのノウハウは短期間でトレンドが変化するため、最新の知識やノウハウを持っているコンサルタント力が必要と言えるでしょう。


ECサイトや施策運用の負担軽減


ECサイトや集客、売上アップのための施策はただ行うだけでなく、その後の分析と改善を繰り返しながら運用を行うことで成果が出ます。


ところが、EC事業者側に運用を行う時間やリソースが不足していることもあるでしょう。ECサイトの運用や改善そのものはECコンサルタントに依頼したい、という企業のニーズも高いです。





ECコンサルタントの年収を上げる方法





ECコンサルタントの年収を上げるための具体的な方法を解説します。


資格を取得する


ECコンサルタントになるためには特定の資格は不要です。ただし、以下のような資格を取得することでECコンサルタントとして大手コンサルファームへの転職や、フリーランスとなったときにクライアントに提示できるなど、年収や報酬アップに有利となることがあります。


  • 応用情報技術者
  • ITストラテジスト
  • マーケティング・ビジネス実務検定
  • ウェブ解析士
  • ネットマーケティング検定

それぞれの資格を説明します。


応用情報技術者は、業務経験が5~6年程度の中堅のプログラマーやシステムエンジニアを対象とした試験です。ITに関連する知識に加えて、マネジメントやストラテジの分野まで広い範囲が出題されます。合格率は20%前後、IT初学者の場合の勉強時間は500時間ほど必要です。


ITストラテジストは、経営とITを結び付ける専門家として認められる国家資格です。ITの網羅的な知識と経営に関する知識が求められ、合格率は15%前後と難易度は高くなっています。


マーケティング・ビジネス検定とは幅広いマーケティングの知識や実務スキルを評価・認定する資格です。C級(初級)は50時間程度、B級(中級)50~100時間程度、A級(上級)は約100~150時間程度の勉強時間が求められます。


ウェブ解析士とは、ウェブマーケティングの入門試験と言われています。過去合格率は50%強、2024年度試験の平均合格率は87%と取得しやすい資格です。


ビジネスの企画・立案に活用できるマーケティングサイドの知識を体系的、網羅的に取得できる資格です。合格率は70%台、学習時間の目安が15時間と比較的難易度の低い資格となっています。


経験を積む


ECコンサルタントはほかのコンサルタントと同じく成果報酬制を設けている場合も多く、経験を積み経験年数を増やすことで年収アップが見込めます。同じ企業で働き続けて役職について年収アップも期待できるでしょう。


大手企業へ転職する


大手のWeb関連企業やコンサルファームに転職して年収アップを目指す方法もあります。そのためにはECコンサルタントとしての実績やノウハウも必要です。


副業をする


ECコンサルタントの正社員として働きながら、ECコンサルタントの案件を副業として受けて年収アップを目指せます。平日は正社員として働き、土日は副業をすることも可能です。たとえばECコンサルタントの副業としても稼動できる、稼動率20%のECコンサルタント案件もPODでは取り扱っています。ECコンサルタントの副業を探している方にもおすすめです。


経験を積んで独立する


ECコンサルタントの正社員として働きながら、経験を積んでフリーランスとして独立する方法もあります。



たとえばPODでは副業向けの稼動率20~50%のECコンサルタント案件や、非公開案件も豊富に取り扱っています。

PODサイトには全体の15%程度の求人のみが掲載されており、その他にも85%の非公開求人があります。フリーコンサルタントを目指している方は、ぜひPODサービスを利用してご自身に合った求人を探してみてください。






ECコンサルタントの年収シミュレーション





POD案件から、エージェント経由で得た案件を業務内容と稼動率で年収をシミュレーションしました。


業務内容稼動率報酬年収
ECサイト統合プロジェクトの業務要件、システム要件定義支援80~100%100~150万円960~1800万円
ECサイトの移管・構築支援100%100~150万円1200~1800万円
EC市場調査および戦略オプション検討40~50%100~150万円480~900万円
ECパッケージの導入支援100%100~150万円1200~1800万円
金融業界におけるEC構築プロジェクトの支援業務100%100~150万円1200~1800万円
アパレルネット通販会社におけるECサイトの受入テスト支援80~100%100~150万円960~1800万円




まとめ


ECコンサルタントの業務形態や企業別の平均年収の目安や年収を上げる方法を解説しました。ECコンサルタントはEC事業やサイト増加の影響を受けて、今後も安定した需要が見込める職種で高年収も期待できます。正社員として働くのはもちろん、独立してフリーランスや副業をすることで、さらに年収アップが見込めるチャンスもあるでしょう。


ECコンサルタントの副業案件を探している、またはフリーランスとして独立を検討しているなら、ぜひPODをご検討ください。非公開求人を豊富に取り扱い、ECコンサルタントの独立や副業にぴったりの案件も幅広くご提供しています。