SAPコンサルタントは高単価?単価相場と案件動向を徹底解説!
更新日:12月23日
この記事では、SAPコンサルタントとして案件獲得や独立を検討している方向けに、単価相場や高単価案件を獲得する方法、独立するメリットとデメリットを解説しています。
SAPは世界トップシェアを誇るERPパッケージです。
SAPの導入を支援するSAPコンサルタントには高い専門性が求められ、フリーランス向けのコンサルティング案件の中でも高単価と言われています。
この記事では、SAPコンサルタントとして案件獲得や独立を検討している方向けに、以下のことについて解説をいたします。
- SAPコンサルタントの単価相場と案件動向
- SAPコンサルタントが高単価案件を獲得する方法
- SAPコンサルタントとして独立するメリットとデメリット
ぜひ最後までお読みください。
SAPコンサルタントの単価相場と案件動向
SAPコンサルタントとして活動する際に、気になるのが単価相場ではないでしょうか。
実際にどのくらいの単価相場で案件が受注できるのか、SAPコンサルタントの将来的な需要とあわせて解説していきます。
SAPコンサルタントの単価相場
SAPコンサルタントの単価相場は、最低1年以上の経験があれば月単価70万円ほどが見込まれます。
もちろんSAPコンサルタントとしてのスキルや実績を積むことで単価アップが可能で、経験5年以上の上級コンサルタントの場合は月単価100万円〜200万円です。プロジェクトマネージャーのポジションであれば、月単価数百万円が相場になってくるでしょう。
SAPコンサルタントの案件数
世界トップシェアのERPであるSAPの導入を検討している企業は多く存在します。
2027年にSAPの現行システムがS/4HANAへ移行することもあり、SAPコンサルタントの案件数は増加しています。
SAPコンサルタントの案件動向
SAPの案件数増加に対してコンサルタントの供給が追いついていないのが現状です。
大手コンサルティングファームの担当者からも人材不足が叫ばれており、SAPコンサルタントの需要は高まりを見せています。
SAPコンサルタントは今後もしばらくは売り手市場が続くと予測され、案件獲得の機会は大いにあると考えてよいでしょう。
SAPコンサルタントの案件例
実際の案件例を紹介していきます。
案件例①
【素材メーカー】SAP S/4HANA 生産調達領域導入プロジェクト(業務要件定義フェーズ)
- 報酬金額
- 月額100~150万円
- 業務内容
- ポジション:調達業務コンサル
- 要件定義タスクの推進(顧客要件のとりまとめ、要件定義資料作成、顧客への説明)
- 作成物は以下の通り
(業務フロー、機能要件一覧、論点サマリー、業務変革施策、期待効果シナリオ)
- 求められるスキル条件
- 購買業務の知識(資材購買、工事購買、原材料購買、在庫管理)
- MMの基本知識(マスタや伝票フローなどの知見が必須。開発スキルは不要)
- 要件定義フェーズの経験
- 担当者自身で資料作成や顧客対応等の作業を計画・実施できる
- 契約条件
- 働き方:フルリモート
※六本木オフィス、顧客オフィス(都内)、各地工場への出社の可能性あり - 契約期間:3~6ヵ月
- 勤務地:東京都(23区内)
- 働き方:フルリモート
参照元:【素材メーカー】SAP S/4HANA 生産調達領域導入プロジェクト(業務要件定義フェーズ)
案件例②
SAPテンプレートのEMEA地域への展開支援
- 報酬金額
- 月額100~150万円
- 業務内容
- クライアント:機械工業メーカー
- USのPMO、日本側テンプレートマネジメント((ロ)ジ、Basis リード
- SAPテンプレートのEMEA地域への展開PM/PMOポジション
- 求められるスキル条件
- EMEA(欧州)地域でのSAP S/4HANA Global rolloutのPM or PMO経験があること
- 自動車業界でのSAP導入経験があること
- EMEA地域の現地在住者または、現地に長期出張が可能であること
- 英語でのコミュニケーションができること
- 契約条件
- 働き方:基本リモート(MTGのみ出社)
- 稼働率:80%~100%
- 契約期間:6~12ヵ月
案件例③
SAP S/4HANA移行に向けた横断PMO支援 / 医療機器メーカー
- 報酬金額
- 月額100~150万円
- 業務内容
- クライアント:医療機器メーカ
- SAP ECCからSAP S/4HANAへの移行
- SAP BASISの領域に対し、各事業所/部門との調整や管理など横断的に担当するPMO
- 求められるスキル条件
- 海外拠点との英語でのコミュニケーション経験
- SAP S4/HANAへのアップグレード経験・知見
- SAPインフラエリアの業務知見
- 契約条件
- 働き方:基本リモート(MTGのみ出社)
- 稼働率:~100%
- 勤務地:関西
参照元:SAP S/4HANA移行に向けた横断PMO支援 / 医療機器メーカー
SAPコンサルタントが高単価案件を獲得するためのスキル8選
SAPコンサルタントは保有しているスキルによって案件単価を上げられます。
ここでは高単価案件の獲得につながるスキルを8つ紹介します。
- 高水準のコンサルティング能力
- SAPやその他業務系パッケージの導入経験
- SAP導入案件における全工程の経験
- クライアント業界の業務知識
- SAPモジュールの知見
- AI関連の知識
- マネジメントスキル
- 英語力
それぞれ詳しく見ていきましょう。
1.高水準のコンサルティング能力
SAPコンサルタントの単価はそのコンサルティング能力によって決まります。
高単価案件の獲得にはSAP製品の知識はもちろんですが、コンサルタントとしていかにクライアントに付加価値を提供できるかがポイントになります。
具体的に求められる能力として
- コミュニケーション能力
- 論理的思考力
- 課題解決能力
などが挙げられるでしょう。
2.SAPやその他業務系パッケージの導入経験
ERPへの理解だけでなく実際に導入経験があると、SAPコンサルタントとして非常に重宝されます。
SAPやその他業務系パッケージの導入経験は、クライアントの業務フローを理解し、出てきた経営課題に対し適切にアプローチできることの証明となるからです。
3.SAP導入案件における全工程の経験
SAPコンサルタントとして、要件定義などの上流工程から設計・開発といった下流工程までを経験していることは大きな強みです。
SAP導入企業の多くが、上流から下流までの全行程を同じコンサルタントに担当してもらいたいと考えており、単価アップの好材料になるでしょう。
4.クライアント業界の業務知識
SAPの導入企業は製造業をはじめ、卸・小売業、金融業、運輸通信業、医療福祉など業界は多岐に渡ります。
案件に該当する分野の業務知識を持っていることは、SAPコンサルタントとして大きなアドバンテージとなるでしょう。
5.SAPモジュールの知見
SAP案件は業務分野に分かれており、取り扱うモジュールによって単価が異なります。
各モジュールは以下の通りに分類できます。
- ロジスティクス(在庫管理:MM、販売管理:SD)
- 人事(人事管理:HR)
- 会計(管理会計:CO、財務会計:FI)
- その他(プロジェクト管理:PS、生産管理:PP、プラント保全:PM)
中でもロジスティクス、人事、会計は需要が大きく、該当するモジュールの知見があると高単価案件の獲得が見込めます。
6.AI関連の知識
AIの機能学習が登場したことで、近年ではSAPシステムの導入にAIを活用する動きが高まっています。
実際にAIを活用するSAP案件は増えてきており、今のうちからAI関連の知識を身につけておくことで希少価値の高い人材になれるでしょう。
7.マネジメントスキル
高単価案件を得るために、マネジメントスキルを身につけることも有効です。
SAP案件ではマネジメント層のニーズが大きく、慢性的な人材不足が叫ばれています。そのため、例えばプロジェクトマネージャーを担当できるほどのマネジメントスキルがあれば、大幅な報酬アップが見込めるでしょう。
8.英語力
SAP導入企業はグローバルに事業展開している大企業が多く、日本人以外がプロジェクトに参画しているケースも珍しくありません。
そのような外国籍の方とのコミュニケーションが必要な場面において、ビジネスシーンで通用する英語力を有していることは大きな武器になります。
SAPコンサルタントが案件獲得する方法
フリーランス向けのSAP案件は一般的な求人には掲載されていないことが多く、自身の人脈から紹介をもらったり、専用の案件紹介サービスを活用する必要があります。
ここからはSAPコンサルタントが案件を獲得するための方法を紹介します。
知人から紹介してもらう
金銭的なメリットが大きいという点で、最も望ましいのは知人からSAP案件を紹介してもらうことでしょう。
クライアントと直接単価交渉できるので、間に企業やエージェントが介入しない分高単価になる傾向にあります。
懸念点はクライアントとの間で問題が生じた場合ですが、サポートしてもらえる仕組みがないため、多少理不尽な内容でも自分自身で対応する必要があります。
エージェントを利用する
フリーランス向けのエージェントを活用して、SAP案件の紹介を受けることも有効な案件獲得の手段と言えるでしょう。
マージンがかかる分、多少単価は下がりますが、案件を探したり営業したりする時間を削減でき、プロジェクト開始後も事務的なサポートが充実しています。
クライアントとのやり取りに不安がある方や、駆け出しのフリーランスの方にとっては有益なサービスです。
「POD」は、フリーコンサルタントと課題解決を求める企業とのマッチングサービスです。
登録したコンサルタントには、弊社エージェントが厳選した優良案件をご紹介します。
プロジェクト開始後も弊社スタッフが手厚くサポートするので、経験の浅いフリーランスの方でも安心です。ぜひお気軽にご登録ください。
前職のクライアントによる紹介
前職のクライアントと築いた関係性によって紹介が生まれるケースがあります。
強い信頼関係をベースに、コンサルタントとしてのスキルや実績を評価して指名されるので、高単価のSAP案件を受注しやすくなります。
指名により継続的に案件獲得しているフリーランスも存在するなど、クライアントと良好な関係性を構築することは大きな財産になり得るでしょう。
SNSを活用する
SNSやブログを通じて自身のスキルや実績を発信することも案件獲得に役立ちます。
フリーランスのSAPコンサルタントとしての自己ブランディングにより、目に留まった企業から依頼が舞い込むことがあるからです。
注意点は、不適切な投稿をしてしまうとマイナス評価につながるため、発信者として周囲からの見られ方は常に意識する必要があります。
SAPコンサルタントとして独立するメリット
SAPコンサルタントとして独立する代表的なメリットとデメリットを紹介していきます。
自身のキャリアパスにとって、フリーランスのSAPコンサルタントとして働くことが有益であるかどうか参考にしてみてください。
高単価案件が多く収入アップが見込める
フリーランス向けのSAP案件は高単価なものが多く、同じ仕事量でも会社員時代より高収入が期待できます。
SAPコンサルタントとしての能力が収入に直結することも大きな魅力で、スキルや経験を積むことで一層の単価アップが見込めます。
多種多様な業界を経験できる
フリーランスの場合、自身で案件を選ぶことができます。
さまざまな業界や業種などに挑戦し、SAPコンサルタントとしてのキャリアを自らの裁量で形成していくことが、フリーランスという働き方の醍醐味かもしれません。
時間や場所など柔軟な働き方ができる
フリーランスは自分で意思決定できる領域が大きく、ライフスタイルに合わせて働く時間や働く場所などを柔軟に選択できることは大きなメリットと言えます。
SAPコンサルタントはリモートワーク可能な案件も豊富にあるので、在宅で案件をこなしていくことも十分に可能でしょう。
SAPコンサルタントとして独立するデメリット
SAPコンサルタントとして独立した場合、どのようなデメリットが考えられるでしょうか?
フリーランスとして働くデメリットはこちらです。
仕事や収入が安定しないリスクがある
フリーランスになると案件獲得や単価交渉は自ら行う必要があり、取引先の確保やプロジェクトの進捗管理など主体的な行動が求められます。
その結果、定期的に仕事がなかったり体調不調などで休んだりした場合は、会社員時代のように安定した収入が得られないリスクがあります。
専門性が強く他の技術領域への展開が制限される
SAPコンサルタントとして独立した場合は、SAPの専門家として知識や経験を深めていくことになります。
SAPコンサルタントとしてキャリアを極めることができる反面、他の技術領域へと知見を広げていくことは難しいかもしれません。
まとめ
SAPコンサルタントは高度なコンサルティング能力と専門性が求められますが、他のコンサルよりも高単価で案件を獲得することが可能です。
SAPのERP市場でのシェア拡大と2027年までの新システム移行により、SAPコンサルタントの人材不足がますます顕著になっています。
そのため、SAPコンサルタントの需要は今後も安定し、その希少性によって高い報酬を得ることができるでしょう。
本記事が、SAPコンサルタントとしてのキャリアを形成する一助となれば幸いです。