経営コンサルタントとは?仕事内容・年収・必要スキルなどを徹底解説
更新日:12月21日
経営コンサルタントへの転職やフリーランスのコンサルタントを目指している方の中には、経営コンサルタントの仕事内容について詳しく知りたい方も多いのではないでしょうか。
この記事では、経営コンサルタントの仕事内容から年収、必要なスキルまで詳しく解説します。
実際に経営コンサルタントになるまでの方法やその先のキャリアについても紹介します。
経営コンサルタントとは?
経営コンサルタントとは、クライアント企業が抱える様々な経営課題に対して、課題分析や解決策の提案、実行支援などを行う専門家です。
取り扱うテーマは、戦略策定や新規事業立案、M&A戦略、組織人事戦略など多岐に渡り、上流工程の課題解決を担うため、経営層や事業部長などの上位レイヤーがカウンターパートとなることが多いです。
また、経営コンサルタントは、解決策の提案だけでなく施策の実行までを伴走支援するケースもあります。
戦略コンサルタントとの違い
戦略コンサルタントは、主に戦略策定などの上流工程の支援を行うコンサルタントを指し、例えば、全社戦略や事業戦略、新規事業立案などの意思決定の支援を行います。
戦略コンサルタントと経営コンサルタントは領域が重複する部分もありますが、違いとしては、前者がクライアントが進むべき方向性の最適解を提言するのに対し、後者は既に示された進むべき方向性に対して、実際に推進するための最適解を提言するといった違いがあります。
経営コンサルタントは実行支援を含むケースが多いものの、昨今では戦略コンサルタントが実行支援まで行うケースも出てきており、重複することも多くなっています。
ITコンサルタントとの違い
ITコンサルタントとは、IT領域の経営課題の解決に特化したコンサルタントを指します。
IT戦略策定や業務・システム要件定義、システム導入・保守運用などの支援を行うため、経営だけでなくITに関する深い知識が必須です。
システムエンジニアが前職で培ったシステム構築の知識を活かして、経営に関する課題も解決しようとITコンサルタントに転身するケースも見られます。
続いて、経営コンサルタントの仕事内容について見ていきましょう。
経営コンサルタントの主な仕事内容
経営コンサルタントは、基本的に数人のチームを組んでクライアント企業の課題解決に取り組みます。
2~3人でクライアントを支援する小規模なプロジェクトから、数十人がアサインされる大規模なプロジェクトまで多岐に渡ります。
経営コンサルタントの役職別に主な仕事内容を解説します。
アナリスト
新卒や第2新卒はアナリストと呼ばれるポジションからスタートします。一般的に1〜2年程度、アナリストとして業務を行い、コンサルタントの課題解決の思考や行動を徹底的に学びます。
この間、例えば、コンサルタントやシニアコンサルタントの以下のようなタスクを補佐する役割を担います。
- 市場/競合などのリサーチ
- 議事録作成(会議で発生したToDoや決定事項の整理)
- 会議調整
- 資料作成
アナリストは上記に付随する細かい作業を担当することが多いですが、単なる作業屋ではなく、リサーチ結果から得られる示唆を出す姿勢を常に求められます。意思決定に役立つような質の高い示唆出しや正確かつ迅速なドキュメント作成などでチームに貢献できると、徐々に上位役職の範囲の仕事まで任されるようになります。
コンサルタント/シニアコンサルタント
コンサルタントやシニアコンサルタントは、自ら情報を収集し、仮説構築~解決策の提言までの責任を負います。
コンサルタントは、基本的にプロジェクトの中の一部の領域を担当しますが、シニアコンサルタントは作業者のトップとしてプロジェクト全体のタスクを管理し、推進していきます。
マネージャー以上のプロジェクト責任者への定期的な進捗報告や方針についての擦り合わせも必要となります。
マネージャー/シニアマネージャー
プロジェクトの責任者であるマネージャーの主な仕事内容は以下の3つです。
- プロジェクト管理
- クライアントとの折衝
- 予算管理
日次などでチーム内定例会を設け、シニアコンサルタントのタスク進行や方針を確認し、プロジェクト推進に問題がないかを管理します。
また、クライアントとの意見の折衝や信頼関係の構築、契約更新時期における継続提案などのも行います。
パートナー
パートナーはコンサルティングファームにおける最上位の役職にあたり、ディレクターやマネージメントディレクター、プリンシパル、ブァイスプレジデントなどと呼ばれるケースもあります。弁護士などの士業によく見られる「パートナーシップ」という組織形態に由来しており、共同経営者としてファームの利益に責任を持つ役職です。
パートナーの仕事内容は主に「新規案件獲得」と「ファーム経営」の2つに大別されます。
新規案件獲得は、例えば以下の様な方法で行います。
- 既存顧客へのコンサルティングから見えてきた課題の新規案件化
- 個人的な人脈の活用
- 経営者に対するセミナー開催
案件の獲得後は、基本的にマネージャークラスがプロジェクトを推進するものの、プロフェッショナルとしての提言やプロジェクトの最終責任を負わなければなりません。
もう1つは、共同経営者としての仕事です。中長期経営計画やグローバル戦略、組織戦略など、多岐に渡る領域において、所属するファームの成長の一翼を担います。
職位に限らず、経営コンサルタントはクライアント企業の経営課題に関わる、責任や難易度の高い仕事を任されます。
それでは、次のパートで、経営コンサルタントの年収がどの程度になるのか見ていきましょう。
経営コンサルタントの年収
職業情報提供サイトの情報(令和4年賃金構造基本統計調査結果を基に作成)によると、経営コンサルタントの年収は、、正社員や自営、フリーランスなども含めた場合、780.9万円となっています。
出典:経営コンサルタント – 職業詳細 | job tag(職業情報提供サイト(日本版O-NET))
出典:令和4年賃金構造基本統計調査|厚生労働省
続いて、雇用形態ごとの経営コンサルタントの年収を解説していきます。
正社員
大手転職サイトの求人を独自調査したところ、正社員の経営コンサルタントの年収のボリュームゾーンは、600~700万円でした。未経験入社1年目の場合は400万円程度の条件となる可能性もありますが、シニアコンサルタントやマネージャーなど、役職が上がると年収1,000万円以上の求人も多数存在します。
出典:経営コンサルタント – 職業詳細 | job tag(職業情報提供サイト(日本版O-NET))
フリーランス
弊社が運営するフリーコンサルタント向け案件紹介サービスの「POD」の経営コンサルタント案件を見ると、100%稼働の場合の相場は100~150万円となっています。契約期間は案件によって異なりますが、1ヶ月と仮定すると、1,200~1,800万円の年収が見込めます。
また、中には~40%の稼働で100~150万円の案件もあり、例えば、既存事業の戦略再検討やデューデリジェンス、グローバル戦略策定、ビジネスモデル構想策定などの経験がある方は、より高い年収を望めるでしょう。
フリーコンサルタントを目指している方は、ぜひPODを利用してご自身に合った案件を探してみてください。
経営コンサルタントの年収に関する詳しい情報や、さらに年収を上げる方法を知りたい方は、以下の記事もご参考ください。
次の見出しでは、経営コンサルタントに必要なスキルを解説します。
経営コンサルタントに必要な主な4つのスキル
弊社が運営するフリーコンサルタント向け案件紹介サービス「POD」の案件に記載されている必要スキルを見ると、経営コンサルタントには特に以下のスキルが求められることが分かります。
- 論理的思考力
- プレゼンテーション能力
- 資料作成能力
- コミュニケーション能力
それぞれのスキルについて詳しく見ていきましょう。
1.論理的思考力
経営コンサルタントにとって最も重要とも言えるスキルが論理的思考力です。
論理的思考力とは、情報を最適な形で分類し、推論によって妥当な結論を導くための思考法です。
例えば、クライアントが成長戦略を見出せずに悩んでいる場合、経営コンサルタントは市場・競合・自社などを調査・分析し、課題を網羅的に洗い出したうえで、合理的な解決策を提案します。
論理的思考力は、戦略コンサルタント出身者などが執筆した論理的思考力に関する書籍などからも学ぶことができます。
2.プレゼンテーション能力
経営コンサルタントには、自らが構築した仮説をクライアントにプレゼンテーションする能力も必要です。導き出した結論や、その結論に至った理由を相手が理解できるように伝えなければなりません。
例えば、プロジェクト背景の仔細まで把握していない経営層に対していきなり細かい話を伝えても、相手は話についてこれない可能性もあります。また、複数の解決策から取捨選択した1つの有効な解決策のみをクライアントに提示したとしても、「なぜその解決策が有効なのか」「その他に解決策は考えられないのか」などと疑問に思われてしまうでしょう。
そのため、経営コンサルタントは結論だけでなく、結論を導き出すまでの仮定も丁寧に整理して相手に伝えるプレゼンテーション能力が必要です。
3.資料作成能力
経営コンサルタントには、資料作成スキルも求められます。
プロジェクトにおいては、提案・キックオフミーティング・定例ミーティングなど、あらゆるシーンにおいて資料がつきものですので、プロジェクトを円滑に進めるためにも資料作成の能力は必要不可欠です。
経営コンサルタントが作成する資料としては、議事録や提案書、数値シミュレーション、進捗管理表など様々ですが、これらを作成するため、WordやPowerPoint、Excelといったドキュメント作成ツールを使いこなす必要があります。
プロジェクトの最後に資料自体を納品物としてクライアントに提供することが多く、作成した資料に曖昧な内容が含まれていたり、誤字脱字などがあるとクライアントからの信頼を損ないかねません。
経営コンサルタントには論理的に整理され、不備のない資料を作成する力が必要なのです。
4.コミュニケーション能力
経営コンサルタントには、クライアントとの折衝のためのコミュニケーション能力も必要です。
一口にコミュニケーション能力と言っても、例えば、以下のような力が必要となります。
- 相手の考えや感情を言語化する
- 相手の考えや感情の背景を理解する
- 相手に対し、正しく、効果的に伝わる手段を用いて伝える
クライアントに自身の仮説を理解してもらい、実際に行動に移してもらうためには、相手が何を考えているのかやどのような感情を抱いているのかを把握することが重要です。また、向き合っている担当者が社内でどのような立場にあるのかといった背景について理解することも大切です。
それらをふまえて、メールなのか、電話なのか、対面なのかといったことも含め、正しく伝わるだけでなく、効果的な(態度変容を促しやすい)方法で伝えることも重要です。
案件によっては特定業界の知見や英語力などが求められることもありますが、経営コンサルタントとしては、紹介した4つのスキルが最低限必要です。
各スキルは、経営コンサルタントに限らずビジネスパーソンとしても重要であるため、関連書籍などの学習商材は多数あります。そのため、比較的簡単に学び始められます。
必要なスキルについて学んだあとは、経営コンサルタントに向いている人について見ていきましょう。
経営コンサルタントに向いている人の3つの特徴
経営コンサルタントに向いている人の特徴は以下の通りです。
- 知的好奇心が旺盛で学ぶことが好き
- 物事の共通点を見出すことが得意
- 社会問題の解決に関わる大きい仕事をしたい
知的好奇心が旺盛で学ぶことが好き
経営コンサルタントは、クライアントが答えを見出せない難問に対し、短期間で最適解を導くことが求められる仕事です。
アサインされたプロジェクトにおいて、業界やクライアントの概観を早期につかみ、様々な情報から課題を探求して提案へと繋げていく。これを高い水準で行うには、知的好奇心が旺盛で学ぶことが好きな人でないと、なかなか難しいのが実情です。
フレームワークなどの思考法を駆使できることはもちろんのこと、考え続ける思考体力も求められるため、考えることが好きな人が経営コンサルタントに向いています。
物事の共通点を見出すことが得意
経営コンサルタントに論理的思考力が必要であることは前述の通りですが、論理展開の方法として帰納法をよく用います。
帰納法とは、ある複数の事象の共通点から、全体に当てはまる法則を導く思考法を言います。
例えば、「マグロが値上がりしている」、「サケが値上がりしている」、「フグが値上がりしている」…だから「魚が値上がりしている」といった結論を導く方法です。
こうした思考法はクライアントの課題を分析し、提案に落とし込む際に必要なものであり、物事の共通点を見出すことが得意な人はコンサルタントに向いています。
社会問題の解決に関わる大きな仕事をしたい
経営コンサルタントは、社会問題などの大きな課題を解決する機会にも巡り合えます。
クライアント企業の経営課題の解決は、基本的に何かしらの社会問題の解決にも繋がります。
例えば大企業がクライアントである場合、新聞にも取り上げられるようなプロジェクトに携わることもあるでしょう。
経営課題の解決は一筋縄ではいきませんが、その分プロジェクトを完遂したときの達成感は非常に大きいです。
そのため、社会問題などの大きな問題を解決したい方は経営コンサルタントに向いています。
紹介してきた要素を持っていないと、経営コンサルタントとして活躍できないというわけではありません。
中には、実際に経営コンサルタントとして仕事をしていく中で、ご自身が人助けをしたときに達成感が得られると改めて気づく人もいます。そのため、上記の要素がないからといって、経営コンサルタントの道を諦める必要はないです。
次の見出しでは、実際に経営コンサルタントになるための方法を解説していきます。
経営コンサルタントになるには
経営コンサルタントになるために特定の資格などは必要ないため、前述した論理的思考力やプレゼンテーション能力などを身に着けた上で、以下4つの方法を参考にして経営コンサルタントを目指しましょう。ここでは、社会人を念頭に解説します。
- 転職サイト・転職エージェントを利用する
- フリーランスサイト・フリーランスエージェントを利用する
- リファラル採用を利用する
- 個人的な人脈を活用して案件を獲得する
各方法について詳しく解説します。
転職サイト・エージェントを利用する
転職サイト・転職エージェント経由でコンサルティングファームに入社することで、経営コンサルタントとして仕事することができます。
大手コンサルティングファームの求人も複数掲載しているため、就職難易度は高いものの、正社員の経営コンサルタントとして働きたい方におすすめの方法です。
フリーランスサイト・エージェントを利用する
フリーランスサイト・エージェント経由で案件を獲得することでも、経営コンサルタントとして働くことができます。
フリーランスの場合、正社員のような定年雇用はないものの、正社員よりも多い報酬を得られる可能性があります。フリーランスサイトやエージェントを利用すると、自身で営業する手間を省くことができ、業務に集中することができます。
リファラル採用を利用する
知人が経営コンサルティング会社に所属している場合、リファラル採用を通じて選考を受けて転職するといった方法もあります。
リファラル採用の場合、一定の信頼が担保された状態であるため、選考ステップが短縮されるケースもあります。また、会社によっては採用された場合に、紹介者・被紹介者両方にボーナスが支給されることもあります。
個人的な人脈を活用して案件を獲得する
フリーランスなどで実績を積んだ後、個人的な人脈やSNSでの営業によって案件を獲得する方法もあります。
エージェントなどの支援を受けずに、1から自分の手で案件を獲得するには手間もかかりますが、その分多めのフィーを期待できます。
経営コンサルタントになるための方法は複数あるため、ご自身にあった方法を選択しましょう。
次の見出しでは、経営コンサルタントのキャリアパスについて紹介していきます。
経営コンサルタントのキャリアパス
経営コンサルタントのおもなキャリアパスは以下の通りです。
- 所属するファームで昇進する
- 事業会社・ベンチャー企業へ転職する
- フリーランスへの転身・起業する
各キャリアパスについて詳しく見ていきましょう。
所属するファームで昇進する
所属するファームで昇進し、パートナーと呼ばれる共同経営者を目指す道がキャリアパスの1つです。
プロジェクトマネジメント経験や、大企業の経営層にアドバイスできるほどの深い知見を身に着ける必要がありますが、責任や難易度に応じた数千万以上の年収も夢ではないでしょう。一握りではありますが、38歳でパートナーに就任した例もあります。
出典:38歳A.T.カーニー新代表「関灘茂」の圧倒的努力|東洋経済オンライン
事業会社・ベンチャー企業へ転職する
経営コンサルタントとしてプロジェクトを牽引した経験を活かし、大手企業やベンチャー企業などの事業会社側へキャリアチェンジするする人もいます。
例えば、大手企業はグローバル展開やM&A、新規事業などの課題に直面した際、社内に推進できる人材が不足しているケースがあります。コンサルタントとしてこれらに類するプロジェクトを経験してきた人は重宝されるでしょう。
また、ベンチャー、スタートアップ企業も経営コンサルタント経験者の採用に積極的です。事業拡大を推進していくうえで、CxOポジションや部門長で事業をリードしていくのも一つの選択肢となっています。
フリーランスへの転身・起業する
経営コンサルタントとしてプロジェクト推進経験や、業界に関する深い知見を培った後、フリーランスへ転身したり、起業する人もいます。
会社に属していると上の役職から順に報酬が分配されますが、フリーランスや起業の場合、プロジェクトによっては多くの報酬を期待できるでしょう。
また、受注する案件を選択できるため、より自分の力を活かしやすいものや興味がある案件に携わることができます。
経営コンサルタントに関するよくある質問
Q1.経営コンサルタントは激務ですか?
A1.プロジェクト期間中は比較的ハードワークになる傾向があります。経営課題の解決のためにスピード感や、品質の高いアウトプットを求められることが要因です。一方で、プロジェクトの終了後、次のプロジェクトにアサインされるまでの間にまとめて休みを取るなど、メリハリをつけて働いている人もいる様です。
Q2.経営コンサルタントは華やかな業務が多いですか?
A2.華やかな業務も多い一方で、資料作成やリサーチなどの泥臭い業務も多いです。しかし、1つ1つの細かい業務も経営課題の解決という大きな目標に繋がる業務であるため、プロジェクト全体でみると華やかな業務であると言えます。
Q3.経営コンサルタントとして仕事すると成長できますか?
A3.経営コンサルタントの業務経験を通じて、高い問題解決能力を伸ばすことができます。また、資料作成などの基礎スキルからプロジェクトマネジメントなどまで、さまざまな要素を吸収できる環境が整っています。
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この記事では、経営コンサルタントの仕事内容を始め、年収、求められるスキル、経営コンサルタントになる方法などについて解説してきました。
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POD編集部