人事コンサルタントは副業も可能!メリット・デメリットや案件獲得方法を解説

更新日:12月21日


人事や組織領域での課題解決支援を行う人事コンサルタントとして活躍するには、本業だけでなく副業として行う方法もあります。人事コンサルタントのニーズは高まっているため副業として行うことで多くのメリットがある一方、知っておくべきデメリットや注意点もあります。


今回の記事では、人事コンサルタントの副業のメリットやデメリットとともに、実際の案件獲得方法について解説します。
副業人事コンサルタントとしての活動を検討している方は、ぜひ参考にしてください。




目次




副業人事コンサルタントが注目される理由





人事コンサルタントのニーズが高まっていることから、副業として獲得できる案件も増加傾向にあります。
人事コンサルタントが注目されている理由は以下の4つです。


  • 人事領域でのDX化が進んでいるため
  • 人的資本経営が重視されているため
  • DEIの実現が推進されているため
  • マッチングサービスが普及してきたため

それぞれについてくわしく解説します。


人事領域でのDX化が進んでいるため


組織や人事領域でも、デジタル技術を活用した変革であるDXが推進されています。
オンラインでの人事評価システムや、デジタルコンテンツによる育成といった人事領域でのDXの実践には、社内にノウハウが必要です。


そこで人事領域でのDX化を推進するために人事コンサルタントの需要が高まっており、スポットの案件なども増えています。


人的資本経営が重視されているため


人材を資本として考えて、人材の価値を最大に引き出すことで中長期的な企業価値の向上につなげるという経営の手法「人的資本経営」が重視されています。
特に近年の日本国内では少子高齢化の影響で、どの産業でも人手不足人材の流出を防ぐことが必須となっています。


人的資本経営を実践するには、配置転換や教育研修の実施といった人材最適化のための施策の実行が必要です。
そのため、人事コンサルタントへの依頼が増加しています。


DEIの実現が推進されているため


DEIとは、 「ダイバーシティ(多様性)」、「エクイティ(公平性)」、「インクルージョン(包括性)」の総称です。
DEIは全従業員の個性を尊重したり、ライフスタイルに合わせた働き方の選択ができたりする環境を目指すことが目的です。


DEIを導入することで生産性や企業価値の増加優秀な人材を集めやすい、といったことが期待できます。
DEIの取り組みを本格的に開始するときにも、人事に関する知識やノウハウが必要なため、人事コンサルタントへ支援を求めるケースが多くみられます。


マッチングサービスが普及してきたため


人事コンサルタントをはじめとしたコンサルティングのニーズの高まりを受けて、コンサルティングのマッチングサービスも増加しています。スポットでコンサルティングを依頼したい企業側からの利用はもちろん、人事コンサルタントが副業の案件を得るための手段として多く活用されています。





人事コンサルタントの副業開始前に確認すること





人事コンサルタントの副業を行う前に確認したいのが、「本業で副業が禁止されていないか」ということです。
事前に就業規則や労働契約書などを必ず確認しましょう。なお自分が独立して自営業や個人事業主のコンサルタントとしてすでに活動している場合には、副業をしても問題はありません。





副業人事コンサルタントのメリット





副業人事コンサルタントとして活動することで、以下のメリットが得られます。


  • スキルアップにつながる
  • 収入アップが見込める
  • 独立の事前準備になる
  • 自分で働く時間や場所を選べる
  • 人脈が広がる

それぞれのメリットについてくわしく解説します。


スキルアップにつながる


人事コンサルタントとして幅広い企業からの副業の案件を受注すると、スキルアップにつながります。
副業の案件からは、本業とは異なる業種・業界の企業とのやりとりを通じて、本業では身につけられない技術やスキル、経験が得られるためです。
副業で多様な案件に関わることで、人事コンサルタントとしてのスキルアップに役立ちます。


収入アップが見込める


人事コンサルタントは人事や組織領域での専門的な知識が求められるため、副業の案件の報酬も高めです。本業の収入にプラスし、副業でも高額の収入アップが目指せるでしょう。副業の経験が長くなれば、実績やスキルによって、より高水準の単価設定の案件も受注できるようになります。


独立の事前準備になる


副業は自分自身で顧客の開拓から案件の受注、報酬支払いまでのやり取りを行います。資金管理やコミュニケーション、タスク管理といったコンサルティング業務以外の経営面での業務も行うため、将来の独立開業に向けた準備ができるでしょう。


柔軟な働き方ができる


副業は、平日の帰宅後や土日のみといった自分の都合のいい時間に合わせて案件を受注できます。さらにリモートワークがメインとなる案件ならば、場合によっては働く時間も場所も自由に決めることが可能です。


人脈が広がる


副業を通じて、本業では経験できない出会いもあります。将来的に独立開業を目指したいときには、副業を通じて知り合ったクライアントから継続的に受注を得られる可能性も高まるでしょう。





副業人事コンサルタントのデメリット





副業人事コンサルタントはメリットがある一方で、以下のようなデメリットもあります。


  • プライベートな時間が確保しにくくなる
  • 本業に支障が出る可能性がある
  • 確定申告をする必要がある

気になるデメリットについて解説します。


プライベートな時間が確保しにくくなる


副業を行うと、本業にプラスして全体的な労働時間が長くなります。仕事の時間が増えることで、家族と過ごしたり、休養や趣味にあてたりというプライベートな時間が確保しにくくなるでしょう。
副業によって収入アップは目指せるものの、ワークライフバランスを考慮した案件数や労働時間の調整も重要です。


本業に支障が出る可能性がある


副業の比重が大きくなると、本業に支障が出る恐れがあります。副業の進捗がおもわしくないため本業がおろそかになったり、疲れが取れず案件に集中できなかったりといった弊害もでるかもしれません。
その結果、本業での評価が下がってしまうこともあるでしょう。


あくまで副業であることを考えて、本業に支障のない案件数やスケジュール調整を行いましょう。


確定申告をする必要がある


副業による所得が20万円を超えた場合は確定申告が必要です。本業の年末調整とは別に確定申告が必要なため、申告の手間が発生します。特に人事コンサルタントは副業でも報酬が高いため、確定申告は必須と考えておきましょう。
あらかじめ確定申告用の会計ソフトなどを入れて、日頃から報酬管理をしておくと安心です。





副業人事コンサルタントの契約形態別報酬





副業人事コンサルタントの契約形態別の報酬を順に解説します。


顧問契約(アドバイザリー契約)


企業と副業人事コンサルタントの間で中長期的な契約を結ぶのが顧問契約です。月1~2回の面談、電話やメールでのアドバイスで月額20万~50万円が相場です。中長期的な観点で経営サポートに携わることができ、安定した報酬が得られます。その分、副業の案件に携わる期間も長くなります。


スポット契約


業務に従事した時間に応じて報酬が支払われる契約形態が、スポット契約(スポットコンサル)です。「時間報酬型」とも呼ばれています。報酬は1時間あたり5,000円〜10万円が相場です。部分的、限定的な業務が多く、期間も短いです。


成功報酬型契約


新制度の構築、新人定着率のアップ、といった成果に応じて報酬が変動するのが成功報酬型契約です。多くの場合「成果の〇〇%」といった形で報酬が決められます。成果が出なければ報酬が得られないリスクもありますが、大きな成果が得られれば高額報酬が期待できることも魅力です。


プロジェクト型契約


立ち上げられたプロジェクト単位で行う契約形態がプロジェクト型契約です。報酬はプロジェクトの規模によって大きく異なります。採用支援活動の場合、稼動率100%で60万~100万円前後の提示が多く、人事系システムの導入支援の場合、100%稼働で100万~200万円前後の案件もあります。





人事コンサルタントの副業案件の種類





人事コンサルタントの副業案件には、おもに下記のような種類があります。


  • 採用活動支援
  • ツール導入支援
  • 人事・評価制度の構築
  • 人材育成支援

それぞれについてくわしく解説します。


採用活動支援


新卒採用、経験者採用で発生する課題解決や支援するための提案を行う業務です。採用活動に関するアドバイスや、採用ターゲットの設定、自社の魅力や強みの設定を行います。また、応募者の選考や採用プロセスの設計、面接担当者への研修などの支援なども含まれます。


ツール導入支援


「SAP Success Factors」「SmartHR」などの人事評価や労務管理のためのデジタルツールやオンラインコンテンツの導入支援を行います。解決したい課題や目的に合わせて実際に導入するツールの選定から、導入、運用までをサポートします。


人事・評価制度の構築


人事制度の見直しや新しい評価制度の構築といった制度設計や構築、運用に関する課題の支援を提供します。人事・評価制度の方向性の検討、制度のメリット、課題の整理、従業員への周知、制度定着といった面での提案やサポートを行います。


人材育成支援


研修や教育制度など人材育成に関する課題解決への提案やサポートを実施します。具体的には業務に必要な知識やスキルの明確化、研修内容の検討、研修の実施などです。





人事コンサルタントの副業案件例





人事コンサルタントの副業案件例を2つ紹介します。(現在は募集終了)


大手航空会社向け、IT人材育成プロジェクト支援


業界:
働き方:フルリモート(MTG含め)
契約期間:
勤務地:
稼働率:80%~100%
報酬金額:100万~150万円

プロジェクト内容

大手航空会社において、IT・DXがわかる人材が不足している。
IT・DX人材に関する育成プランも充足しているわけではないので、既存のフレームワークをカスタマイズして大手航空会社にマッチするような育成プログラムを作り上げていく

求められるスキル条件


  • IT人材育成の計画経験
    ※育成のためのフレームワークを使ってカスタマイズ、評価したことある人
  • アセスメント経験

大手エネルギー系企業向け人事システム開発給与系、データ移行系開発メンバー/サブリーダー


業界:公共機関・官公庁・インフラ
働き方:
契約期間:
勤務地:
稼働率:100%
報酬金額:100万~150万円

プロジェクト内容

  • 業務内容
    • 人事システムリプレイス案件となり、給与チームのメンバーとしてパッケージパラメーターの設計、設定に関する開発支援
    • 開発メンバーとしてパッケージのシステム開発業務について、チームリーダーと相談の上、業務遂行
    • 顧客とのミーティングで、ファシリテーターとして会議を進行(リーダー枠の場合)
    • 現在リモートが中心ですが、クライアント先へ出張の可能性有
  • 作業期間
    2022年9月~(即日も可能)
  • 勤務時間
    9:00~18:00

求められるスキル条件


  • ERPや業務パッケージにおける設計/開発、テストフェーズでのSE経験
  • 人事用語、人事システムやその運用について経験もしくは知見




副業人事コンサルタントの案件獲得に必要なスキル





副業人事コンサルタントが案件を獲得するために必要なスキルは以下の通りです。


  • 論理的思考力
  • 向上心
  • コミュニケーション力

それぞれくわしく解説します。


論理的思考力


課題の原因・要因を把握し最適な解決方法を導き出すためには、物事を整理し、筋道を立てて考えられる論理的思考力が必要です。


企業ごとに持っている組織・人事領域での課題は異なります。場合によっては複数の要因が絡まっていて、大きな課題となっていることもあるでしょう。論理的思考力は、人事制度組織改革についてクライアントの理解を得るために、わかりやすく説明するうえでも求められます。


向上心


課題解決のための最適な施策を提案するためには、向上心を持ってつねに知識やノウハウを学び続ける必要があります。また、向上心を持つことで人事コンサルタントとしてのノウハウを蓄積し続けられるほか、業界や市場の動向やトレンドの最新情報も入手できるでしょう。提案力と課題解決力の元になる知識を得るために、向上心は必須です。


コミュニケーション力


副業では、クライアントとのやりとりはすべて自分で行います。クライアントの持つ課題の本質を引き出すための傾聴や、要件定義に必要なヒアリング力、さらにスケジュール調整や進捗報告などにもコミュニケーション力が求められるでしょう。


特に、教育やSAP導入支援での案件で求められるスキルです。グローバル企業の案件の場合、英語をはじめとした外国語でのコミュニケーションも求められます。





人事コンサルタントの副業案件を探す方法





人事コンサルタントの副業を探すおもな方法は以下の通りです。


  • 友人や知人の紹介
  • 求人サイト
  • クラウドソーシングサービス
  • SNS
  • エージェント

それぞれの方法について解説します。


友人や知人の紹介


友人や知人から案件を紹介してもらう方法です。人脈を利用してコンサルティングを求めている企業を紹介してもらえれば、営業活動を行う手間なく案件が獲得できます。エージェントやプラットフォームなどのように仲介手数料がかからないため、提示された報酬をそのまま得られることもメリットです。普段から交流がある方からの紹介であれば、人となりを理解しているため案件獲得もスムーズに進めやすいでしょう。


ただし、友人や知人からの紹介が本業で所属している会社との契約違反やマナー違反に当たることがあります。友人や知人からの紹介に問題がないかを確認したうえで、紹介を受けることが重要です。


求人サイト


インターネット上で公開されている求人サイトを利用して、案件を探す方法です。気軽に利用でき、空いている時間に案件探しができる一方で、人気の案件は競争率が高く受注につながりにくい傾向にあります。


クラウドソーシングサービス


ランサーズクラウドワークスといったオンラインで仕事を受発注できるクラウドソーシングサイトを利用する方法です。受注したい業務、自分の経験やスキルに応じた案件が探せます。ただし同じような案件でも、設定されている報酬にばらつきがあるため注意が必要です。


SNS


自分で情報発信をしているSNSを活用して案件を獲得する方法です。企業側から声をかけられる可能性が高く、営業活動の手間がありません。FacebookLinkedInなどのビジネス向けSNSには、ITコンサルタント側から応募できる求人投稿もあります。ただし案件獲得までの即効性はないため、すぐに副業をはじめたいときには不向きです。


エージェント


人事コンサルティングをはじめとした、コンサルタントの案件に特化したエージェントを利用する方法です。既に数年以上の経験があり、本業と違う業界での業務経験を積むために副業したい人には、エージェントサービスの利用をおすすめします。一般的に公開されていない非公開案件の紹介も受けられます。条件の交渉やスケジュール調整などをしてくれるのも魅力です。なお利用に応じて、仲介手数料が発生します。


人事コンサルタントの副業案件獲得のためのエージェントサービスなら「POD」をぜひご検討ください。PODは、フリーコンサルタントのためのハイクラス案件紹介を行っております。高単価案件や上流案件に特化しており、リモート案件や長期案件も充実しています。85%を占める豊富な非公開案件取り扱いに、継続率90%を実現するサポート力の強さにも自信があります。人事コンサルタントの副業案件獲得にも、ぜひご活用ください。






人事コンサルタントが副業する際の注意点





人事コンサルタントが副業する際の注意点は以下の通りです。


  • 守秘義務と競業避止義務に留意する
  • 受注する期間や量を調整する
  • 直請けと下請けについて理解しておく

副業後の失敗を防ぐために、おぼえておきたい注意点を解説します。


守秘義務と競業避止義務に十分留意する


クライアントからの機密情報(雇用先や副業先企業の内部情報やノウハウ)の取り扱いには細心の注意を払いましょう。外部流出をすると企業側にとって大きな損失となり、損害賠償請求をされるケースもあります。人事コンサルタントとしての信頼も喪失してしまい、受けられる案件の数が減少する原因にもなります。


本業の雇用先と競合する企業からの案件受注も避けることが重要です。こちらも同じく損害賠償請求や解雇などのリスクがあります。


受注する期間や量を調整する


本業に加えて副業を行う際には労働時間が長くなり、疲労やストレスが蓄積しやすくなります。本業やプライベートな時間に支障がないように、受注する期間や量は適切に調整しましょう。


直請けと下請けについて理解しておく


副業の案件には、直請け下請けがあります。「直請け」とは企業と直接契約を結び、「下請け」は人材派遣などのサービスを経由して仕事を請け負う方法です。


直請けはクライアント企業と直接契約になるので報酬は高くなりますが、営業活動や事務的な手続きなどについて直接のやりとりが必要です。下請けは紹介料などのコストがかかりますが、営業や事務手続きの手間がありません。まずは下請けで本業に支障がない範囲で副業をはじめ、慣れてきたら少しずつ直請けを増やすといいでしょう。





人事コンサルタントの副業に関するよくある質問





人事コンサルタントとして副業をはじめる際に持ちやすい疑問を、よくある質問と回答で紹介します。


人事コンサルタントの副業を始める流れは?


副業をはじめるまでの流れは以下の通りです。


  1. 本業の雇用契約(副業について)を確認する
  2. 人事コンサル領域の自分のスキルを確認する
  3. 案件や報酬をチェックする
  4. 副業を踏まえた作業時間を確保する
  5. SNSでの情報発信やエージェントサービスへの登録といった案件獲得活動をはじめる

副業を長期的に続けるためには?


副業を長期的に続けるためには、無理のない作業量やスケジュールに調整することと、人事領域の書籍を読むなど人事コンサルタントとして継続的にスキルを向上させることが重要です。


副業収入は事業所得になる?


帳簿書類を保存していれば副業所得でも原則として事業所得に区分されます。ただし、下記のようなケースは雑所得扱いとなることを覚えておきましょう。


  • 社会通念上、事業と判断されない(その仕事がおもな収入源でない)
  • 収入が300万円以下で帳簿記録がない
  • 営利性がない




まとめ


人事コンサルタントが副業を行うメリットやデメリット、副業案件の獲得方法や注意点について解説しました。人事コンサルタントの需要が伸びていることや、コンサルタントと企業がマッチングしやすくなったことを受けて、人事コンサルタントの副業案件も獲得しやすくなっています。案件紹介が受けられるエージェントサービスなどを活用しながら、ぜひ副業人事コンサルタントとしての活動をはじめてみましょう。



ランサーズ株式会社
POD編集部