物流コンサルタントの平均年収は?人気企業別の年収、年収アップの方法も紹介
更新日:12月21日
物流コンサルタントの平均年収や雇用形態、人気企業別の年収と年収をアップさせる方法を解説しています。
物流コンサルタントの年収について気になる方はぜひ参考にしてください。
物流やサプライチェーンの最適化や課題解決を担う物流コンサルタント。市場のニーズの変化を受けて、物流コンサルタントの需要も高まり、年収も高い傾向があります。
今回の記事ではこれから物流コンサルタントへの転職や独立を検討している方のために、物流コンサルタントの平均年収や業種別、人気企業別の年収について解説します。年収をアップさせるための方法についても解説していますので、ぜひ参考にしてください。
物流コンサルタントの年収
大手求人サイトの調査によると、正社員や自営、フリーランスなども含めた物流コンサルタントの想定平均年収は750万円です。令和4年度の全産業での正社員の平均給与は523万円のため、物流コンサルタントの年収は平均よりも高いことが分かります。
物流コンサルタントの仕事内容などについて詳しく知りたい方は以下の記事もご参考ください。
雇用形態別の年収
物流コンサルタントは正社員、フリーランス、正社員が副業をした場合で年収が異なります。
それぞれの雇用形態別の年収を解説します。
正社員
大手求人サイトの求人を調査した結果、物流コンサルタントの年収のボリュームゾーンは600~800万円です。
大学新卒や未経験スタートなら年収300~400万円、役職クラスなら年収1000~2000万円の求人もあります。
フリーランス
コンサルタント向けエージェントサービス「POD」の案件では、物流・SCM関連の100%稼動案件は100~150万円報酬がボリュームゾーンでした。継続的に案件を獲得できた場合、年収相場は1200~1800万円です。
PODサイトには全体の15%程度の求人のみが掲載されており、その他にも85%の非公開求人があります。
フリーコンサルタントを目指している方は、ぜひPODサービスを利用してご自身に合った求人を探してみてください。
正社員+副業
フリーランスで副業として土日のみ稼動することをふまえて調査したところ、「POD」の20~40%稼働の案件のボリュームゾーンは、~100万円でした。本業の年収プラス240~1200万円が副業の年収レンジです。
物流コンサルタントの人気企業
物流コンサルタントファームとして人気の企業5社の特徴を解説します。
アビームコンサルティング株式会社
アビームコンサルティング株式会社は、1981年に設立されたアジアを中心にネットワークを展開する、グローバルコンサルティングファームです。多様な価値観を尊重したビジネスモデルと、次世代のスマートサプライチェーンへの変革サポートを得意としています。平均年収は806万円です。
EYアドバイザリー・アンド・コンサルティング株式会社
ロンドンを拠点とするコンサルティングファーム「Ernst & Young(アーンスト・アンド・ヤング)」の日本法人です。データ分析やAIなどを活用した次世代サプライチェーンのフレームワークによる、サプライチェーン戦略に強みがあります。平均年収は909万円です。
KPMGコンサルティング株式会社
KPMGはイギリスのグローバルコンサルティングファームです。SCMにおいては、会計やリスクコンサルタントと連携を取りつつ、企業経営へのサプライチェーンマネジメントサポートを提供しています。平均年収は900万円です。
アクセンチュア株式会社
アクセンチュア株式会社は、アイルランドのダブリンに1995年に設立された総合コンサルティングファームです。幅広い分野でのコンサルティングを提供しており、物流やSCMでは顧客中心のサプライチェーンと持続的なシステムの構築に力を入れています。平均年収は866万円です。
デロイトトーマツコンサルティング合同会社
デロイトトーマツコンサルティング合同会社は、イギリスに本拠地を構えるコンサルティングファームです。世界150か国にもおよぶグローバルネットワークがあり、クライアントに対して戦略立案から実行までの一貫したサービスを提供しています。平均年収は942万円です。
物流コンサルタントの年収に直結する需要が高まっている3つの理由
物流コンサルタントは、以下3つの観点から需要が高まっています。
- 企業のグローバル化の拡大
- 働き手不足
- 市場ニーズの多様化
企業のグローバル化の拡大
幅広い産業の企業がグローバル化することで、生産拠点が海外になることも多いです。
海外で部品の調達や製造が行われれば、サプライチェーンの管理も複雑化します。国によっては異なる法規制の順守や地域間での調整、物流の最適化といった点で、課題を抱える企業も多いでしょう。
グローバル化が拡大する中で、物流を最適化し企業力を向上させるために、物流コンサルタントが求められています。
働き手不足
日本は少子高齢化が進んでいます。さらに日本を含めた海外諸国でも、労働人口が減少しています。
少ない労働力を経済全体へ最適化するために、多くの企業で物流工程の見直しが行われています。
たとえば生産プロセスにロボティクス技術を導入して効率化、自動化をするといったものです。
労働力不足をカバーするための物流DXにおいて、物流・SCMコンサルタントが求められています。
市場ニーズの多様化
インターネットとデジタル技術の深化によって、消費者の購買行動は大きく変化しました。ECサイトを通じれば、時間と場所を選ばず購買行動が実現できます。製品やサービスに対するニーズや期待も多様化し、それに応えるために企業にも柔軟性が求められていると言えるでしょう。在庫管理の最適化や需要の変動に応じた生産調整などをスムーズに行うためのツールや施策を取り入れるために、物流・SCMコンサルタントの需要が高まっています。
物流コンサルタントの年収を上げる4つの方法
以下4つの方法により、物流コンサルタントとしての年収アップが期待できます。
- 業務に関連する資格を取得する
- 転職する
- 独立する
- フリーコンサルとして高単価案件を獲得する
それぞれの方法について詳しく解説します。
方法1.業務に関連する資格を取得する
物流コンサルタントの業務に関連のある資格を取得することで、業務へのスキルアップや転職に役立ちます。
代表的なのが以下3つの資格です。
- MBA
- APICS認定資格
- SCM検定
MBA
MBA(Master of Business Administration)とは、学位のひとつで「経営学修士」を指します。
ビジネススクールや大学院で経営学の修士課程を修了した者へ授与されるのが特徴です。MBAコースでは、ビジネスリーダーに欠かせない人的資源管理、財務会計、マーケティング、統計学、経済学などを学びます。
近年は企業が従業員に対してMBAの留学プログラムを教育制度として提供する機会も増えてきました。
オンラインで受講できるコースもあり、仕事と両立しながらの取得も可能です。
ビジネススクール(大学院)に合格するために必要な勉強時間は、一般的に4~6ヶ月といわれています。
難易度は入学試験の倍率で決まり、国内平均入試倍率は約1.9倍、入試倍率が高い大学院では4倍以上になる年もあります。
入試までの準備期間からMBA取得までの期間は約1.5~2.5年程度かかりますが、MBAを取得することで年収が500万円以上アップした人が37.9%、300万円以上が57.1%という結果も出ています。
APICS認定資格
APICS(エピックス)認定資格とは、アメリカの団体「American Production and Inventory Control Society」が認定する資格です。取得することで、SCMに関する体系的な知識を有していることを証明できます。「CPIM(計画・在庫管理)」・「CSCP(サプライチェーン・プロフェッショナル)」・「CLTD(ロジスティクス・輸送・流通)」の、SCMに関する幅広い知識を身に付けられます。
サプライチェーンマネジメントに関する資格である「CPIM(計画・在庫管理)」を取得するためには、平均300時間の勉強が必要です。合格率は70%と公式サイトで公表されていますが、問題文がすべて英語のため英語スキルによって難易度が変わるでしょう。
参考:APICS公式サイト
SCM検定
SCM検定とは、日本サプライチェインマネジメント協会(日本SCM協会)が認定する資格です。SCMの中でも重要な役割を担うロジスティクス領域に関する知識が問われ、資格を取得すると「物流コンシェルジュTM」を名乗ることができます。
受験には1年以上のロジスティクス領域における実務経験、もしくは日本SCM協会指定の勉強会などへの参加が必要です。
方法2.転職する
物流コンサルタントの年収は企業の持つ評価制度によっても左右されます。自分のスキルや実績に自信があれば、年収アップを目指して転職するのもひとつの方法です。実力成果主義の評価制度を採用している企業に転職することで、高収入を目指せるチャンスが得られるでしょう。
方法3.独立する
物流コンサルタントとして独立することで、年収アップに繋がります。企業のコンサルタントとして属していると、案件の報酬が分配されるためです。特に上位層から報酬が分配される傾向にあるため、役職についていない場合は報酬が低くなります。
独立すれば自分に多くの報酬が分配されます。ただし顧客獲得のための施策や営業活動、経営も自分で行わなければいけません。万が一クライアントに迷惑をかけてしまうことになると、責任は自分ですべて負うことも必要です。
方法4.フリーコンサルとして高単価案件を獲得する
企業に属しながら、副業としてフリーコンサルとして活動することで年収アップが見込めます。自分の経験やスキルを活かして、仕事と両立させながら働くことが可能です。物流コンサルタントの案件が多くあるサービスを利用するのがおすすめです。
PODでは、物流コンサルタントを含めたフリーコンサル向けの案件を多数紹介しています。
サイト掲載案件以外にも、85%の優良な非公開求人を紹介できますので、フリーコンサルタントを目指している方は、ぜひPODサービスを案件探しにご活用ください。「コンサルタントサポーター」の手厚いサポートや、プロジェクトに集中できる契約サポートを通じて、効率的にご自身に合った案件を見つけられます。
【フリーランス向け】物流コンサルタントの年収シミュレーション
PODサービスで提供している物流コンサルタント向け案件より、年収シミュレーションを行いました。
業務内容 | 契約期間 | 必要なスキル | 稼動率 | 年収 |
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運輸業界 日系大手企業へのS4HCの導入支援 | 6~12ヶ月 | ・ITPMO経験 ・大手コンサルティングファーム出身or大手Sier出身 | ~100% | 600~1200万円 |
物流起点としたSCM改革構想支援 | 6~12ヶ月 | ・物流戦略 ・物流オペレーション (在庫配置、在庫基準、物流ネットワーク構造など) | ~100% | 600~1,500万円以上 |
運輸業界における業務システム 業務効率化プロジェクト | 3~6ヶ月 | ・システム構築プロジェクトでの業務設計 (業務フロー・手順書 等)の作成経験 ・業務フロー・手順書を作成できるドキュメンテーションスキル ・担当者(現場も含む)とコミュニケーションできるスキル ・業務内容を引き出すヒアリングスキル | ~100% | 300~900万円 |
食品流通業界における業務DXのプロジェクト推進支援 | 3~6ヶ月 | ・コミュニケーションスキル ・ネゴシエーションスキル ・パワーポイント・エクセル作成能力(アウトプットする能力が高い) ・業務変革プロジェクト経験 ・システム導入プロジェクト経験(salesforceやPowerAppsなどaPaasが望ましい) | 80~100% | 300~900万円 |
ロボット物流業者向け業務支援 | 1~3ヶ月 | ・物流業界経験 ・問題解決能力 ・ROS(Robot Operating System)の知識と経験 | 80~100% | 100~450万円 |
まとめ
物流コンサルタントの平均年収や業種別の年収、年収を上げるための方法について解説しました。
物流コンサルタントのニーズは高くなっており、今後も高い年収が期待できます。物流コンサルタントへの転職や独立を検討し、案件紹介サービスなどを活用して自分に合う案件を獲得することで、安定して高収入を目指すことも可能です。
ランサーズ株式会社
POD編集部