SAPコンサルタントが副業で稼ぐには?将来性や案件獲得の方法をご紹介!
更新日:12月23日
この記事では、SAPコンサルタントの副業を検討している方向けに、副業需要や将来性、案件単価と案件獲得の方法、副業するメリットとデメリットを解説しています。
SAPとは、ドイツの大手ソフトウェアベンダーであるSAP社が提供するERPパッケージ(統合業務パッケージ)であり、世界トップクラスのシェアを誇っています。この記事では、SAPコンサルタントの副業を検討している方向けに、SAPコンサルタントの副業需要と将来性をはじめ、SAPコンサルタントとして副業するメリット・デメリット、副業案件の獲得方法などについて解説します。
SAPコンサルタントの副業需要と将来性
ここでは、SAPコンサルタントの副業需要と将来性を紹介します。
SAPコンサルタントの副業需要
SAPコンサルタントの副業需要は、近年ますますの高まりを見せています。
最大の要因として挙げられるのがSAPの「2027年問題」です。2027年問題とは、SAP社がERP製品「SAP ERP 6.0」のサポートを2027年で終了すると公表したことで、多くの企業が新システムの「SAP S/4HANA」もしくは他社製品への移行を迫られている現状を指します。
国内だけを見ても対応に追われる企業は2,000社程度にのぼり、該当企業の多くが新システムへの移行を進めています。
このような背景からSAP S/4HANAへの移行案件が増えてきており、SAPコンサルタントに対する需要が増加していると言えます。
SAPコンサルタントの副業は今後増えていく?
少なくとも新システム移行期限である2027年までは、SAPコンサルタントの副業需要は拡大していくでしょう。
では、2027年以降はどうでしょうか?
結論から言うと、2027年以降もSAPコンサルタントの副業は増えていくと予想されます。
ERPトップシェアを誇るSAP社は、継続的に新機能や魅力的なツールを発表しており、それらに対応するSAPコンサルタントは今後も貴重な存在であると考えられるからです。
もちろん、今後SAP社にとって代わる競合他社が登場した場合に、SAPコンサルタントの市場価値が相対的に下がるリスクはあります。
ですが、現状すぐに大規模なシェア変動が起こるとは考えにくいため、今後もSAPコンサルタントの副業需要は持続する可能性が高いと言えます。
SAPコンサルタントとして副業する8つのメリット
ここでは、SAPコンサルタントとして副業することのメリットを8つ紹介します。
- 本業以外の収入源を確保できる
- 時間を有効活用できる
- フリーランスとして独立する準備ができる
- スキルアップにつながる
- 社外での人脈作りができる
- SAPコンサルタントとしての実績が増える
- 自身の市場価値を確認できる
- フルリモートの副業案件が多い
それぞれの内容について解説していきます。
本業以外の収入源を確保できる
SAPコンサルタントとして副業をする最大のメリットは、本業以外の収入源を確保できることです。
本業で稼いだ給料に副業分がプラスされるので、トータルの収入がアップするのは当然ですが、副業で新たな収入源を作り出すことは精神的な安定にもつながります。
現在の収入に満足していない方、本業以外に収入源を確保したい方は、副業にチャレンジしてみてはいかがでしょうか。
時間を有効活用できる
平日や休日の空き時間を副業に充てることができれば、時間の有効活用につながります。
SAPコンサルタントの副業はリモートワーク可能な案件も多く、ライフスタイルに合わせた柔軟な働き方ができるでしょう。
フリーランスとして独立する準備ができる
フリーランスとして独立したい方にも、SAPコンサルタントの副業はその準備として非常に役立ちます。
正社員で会社に勤めている方は、いきなり会社を辞めてフリーランスとして独立することに不安を覚える方も少なくないでしょう。
そのような方は、まずは副業から始めてみることで、フリーランスのSAPコンサルタントとして独立できそうかを見定めることができます。
スキルアップにつながる
副業はスキルアップにもつながります。
副業の場合、身に付けたいスキルに沿って案件を選ぶことで効率的なスキルアップが可能です。
本業と副業の掛け持ちはセルフマネジメントが重要ですが、本業だけでは物足りないような方にとっては、成長の良い機会として有効でしょう。
社外での人脈作りができる
会社員として働いていると人間関係が限定的になりがちですが、副業に取り組むことで社外の人脈を構築していけます。
例えば、副業で関わったクライアントの担当者があなたの働きぶりを高く評価したとします。将来、その担当者が別の会社に転職した際にあなたに声をかけてくれる可能性もあります。
社外の人脈が広がることは、将来のビジネスチャンスにつながる可能性があると言えます。
SAPコンサルタントとしての実績が増える
副業に取り組むことはSAPコンサルタントとしての実績につながり、転職や独立の際のアピール材料として活用できる可能性があります。
経験年数やスキルが上がるほど案件単価も高くなっていくので、副業でSAPコンサルタントとしての実績を増やしていくことは、大きなアドバンテージになるでしょう。
自身の市場価値を確認できる
企業に属しているだけでは、SAPコンサルタントとしての自身の市場価値を把握することは難しいでしょう。
SAPコンサルタントとして活躍するためには、定期的に市場価値を確認し、スキルを上積みしていく姿勢が必要になります。
個人として副業でSAP案件をこなすことで、現時点での市場価値が確認できるので、適正価格以下で仕事を受けてしまうリスクも避けられます。
フルリモートの副業案件が多い
SAPコンサルタントの副業は、案件によってはリモートワークが可能です。
作業する場所を選ばないことは、より副業に取り組みやすい環境になってきていると言えるでしょう。
SAPコンサルタントの副業をするデメリット3選
SAPコンサルタントの副業をするデメリットはあるのでしょうか?
想定される主なデメリットは以下の3つです。
- 本業に支障をきたす可能性がある
- 副業が会社にバレるリスクがある
- 確定申告などの雑務が発生する
それぞれ詳しく見ていきましょう。
本業に支障をきたす可能性がある
SAPコンサルタントだけに限らず、副業をする際は本業とのバランスが大切です。
副業に集中するあまり本業が疎かにならないよう注意するのは当然ですが、心身のコンディションやプライベートの時間も考慮して案件選びは慎重に行いましょう。
副業が会社にバレるリスクがある
副業を始める前に勤務先の就業規則を確認しておいた方が良いでしょう。
大手コンサルティングファームでは副業を禁止している企業も多く、副業がバレてしまった場合に解雇されてしまう可能性があります。
確定申告などの雑務が発生する
本業以外で年間20万円超の所得があった場合確定申告をする必要があります。
SAPコンサルタントの副業は高単価であるため、20万円を超えることを想定し、確定申告の知識を身に付けておきましょう。
SAPの副業案件の単価
SAPの副業案件は高単価なものが多く、SAPコンサルタントとしての就業経験が1年以上あれば案件獲得の可能性があると言えます。例えば、月100%稼働した場合の単価は70万円以上が相場です。
経験年数やスキルが上がってくると、人月100万〜200万円といった単価で案件を獲得できることも珍しくありません。(副業として週2日程度稼働すると仮定すれば、40万円〜80万円ほどの報酬が期待できます。)
単価アップの最大のポイントはマネジメント経験の有無です。
SAPコンサルタントとしてリーダーやプロジェクトマネージャー経験があると報酬金額が大幅にアップします。
その他にも、ロジスティクス、人事、会計といったニーズの高いモジュールの深い知識や高いレベルでの英語力を持っていると高単価で案件を獲得しやすくなります。
SAPの副業案件例
ここでは、弊社が運営するフリーコンサルタント向け案件紹介サービス「POD」に掲載されているSAP案件を例に見ていきましょう。
SAPの副業案件例①:半導体メーカー|グローバル基幹システム刷新プロジェクト
- 報酬金額
- 月額100万~150万円
- ポジション
- クライアントIT部門の販売領域サポートメンバー
- 業務内容
- 業務側スタッフとの調整、設計書のレビューなど
- 結合テストのシナリオ策定
- SAP周辺システム含めたテスト実施支援
- 移行テストデータ作成支援
- 求められるスキル条件
- SAPのSD(Sales and Distribution:販売管理モジュール)経験
- 英語力(ビジネスレベル)
- 契約条件
- 働き方:基本リモート(MTGのみ3〜5日出社)
- 稼働率:~100%
- 勤務地:東京都(23区内)
参照元:半導体メーカー|グローバル基幹システム刷新プロジェクト
SAPの副業案件例②:製造業クライアントの基幹系システム導入支援(SAP S4/HANA)
- 報酬金額
- 月額100万~150万円
- 業務内容
- 会議参加および内容とりまとめ
- 議事録作成
- 週次進捗報告の作成
- WBS更新
- 検討課題、ToDoの更新
- 求められるスキル条件
- 業務ヒアリング
- 製造業の業界知識と業務知見
- プロジェクト管理
- SAPの知見
- 契約条件
- 働き方:リモート+オンサイト
- 稼働率:80%~100%
参照元:製造業クライアントの基幹系システム導入支援(SAP S4/HANA)
SAPコンサルタントの副業に必要なスキル
SAPコンサルタントの副業をするには、SAPに関する専門知識が必要になります。
高い専門性とコンサルティング能力の両方を併せ持つ必要があり、そういった希少性によりSAPコンサルタントには高い報酬が支払われます。
ここでは、SAPコンサルタントとして副業を行ううえで必要なスキルを紹介します。
ABAPの理解
ABAP(Advanced Business Application Programming)とは、SAP開発に必要なプログラミング言語で、SAPエンジニアを除くと取り扱うことができるエンジニアは限られます。
SAPはパッケージ製品であり、標準機能だけではユーザーの業務要件を満たせないケースも起こりえます。そのような場合はアドオンを追加開発する必要があり、この開発に必要となるのがABAPです。
また、SAPの新システムであるS/4HANAのUI(ユーザーインターフェース)である「Fiori」の開発にもABAPが用いられます。
このように、SAP案件に携わるためには、ABAPの理解は大いに役立ちます。
SAP S/4 HANAの理解
SAPは現行システムのサポートを2027年に終了すると公表しており、新システムであるSAP S/4 HANAへの移行を多くの企業が検討しています。
今後、間違いなく需要が高まると予想されるので、SAPコンサルタントにとってSAP S/4 HANAの理解は必須と言えるでしょう。
複数モジュールの理解
SAPは以下に記載する4つのモジュールから構成されており、複数のモジュールに対する理解があると案件を受注する幅が広がったり、プロジェクトをスムーズに進めていったりすることにつながります。
- ロジスティクス(在庫管理:MM、販売管理:SD)
- 人事(人事管理:HR)
- 会計(管理会計:CO、財務会計:FI)
- その他(プロジェクト管理:PS、生産管理:PP、プラント保全:PM)
中でも、ロジスティクス、人事、会計のモジュールは需要が高く、そういったモジュールを扱う案件は高単価になりやすい傾向があります。
SAPの専門知識以外で言えば、海外メンバーとのやりとりが求められるグローバル案件は高単価なものが多いため、ビジネスレベルの英語力を身に付けておくと、案件獲得のチャンスが高まります。
SAPコンサルタントが副業案件を獲得する方法
ここからはSAPコンサルタントが副業案件を獲得する方法について解説します。
例えば、以下のような方法でSAPの副業案件を探すことができます。
- エージェントにSAP案件を紹介してもらう
- クラウドソーシングを活用する
- 求人紹介サイトや求人検索エンジンを利用する
- SNSで情報発信する
- 知人や友人に紹介してもらう
それでは、それぞれ見ていきましょう。
エージェントにSAP案件を紹介してもらう
本業をしながら副業案件を探すのは、時間と手間がかかります。
SAP案件を保有するエージェントを活用すると、自身で営業をする必要がなく、自身のスキルや経験、希望の働き方など、条件に合った案件を紹介してもらうことができます。
例えば、弊社が運営するフリーコンサルタント向け案件紹介サービスの「POD」では、高単価なSAP案件を豊富に取り扱っています。
コンサルタントサポーターがご希望に沿って案件を紹介しているため、気になった方はぜひ、ご登録ください。
クラウドソーシングを活用する
クラウドソーシングとは、オンラインで仕事の受発注が行えるサービスで、「ランサーズ」や「クラウドワークス」が代表的です。
クラウドソーシングを活用するメリットは、クライアントと直接やりとりでき、受注から報酬の支払いまでをサービス側が行うため、手間なく請求処理を行える点です。
デメリットはSAPなどのコンサルタント案件が少ない傾向にあることと、プラットフォーム利用の手数料により報酬が目減りすることが挙げられます。
求人紹介サイトや求人検索エンジンを利用する
「doda」のような求人サイトや求人検索エンジンの「indeed」からもSAPの副業案件を探せます。
ただし、副業以外にも正社員やアルバイトなどの求人が多数掲載されているため、検索条件を詳細に指定する必要があります。
SNSで情報発信する
SNSで自ら情報発信することで、自身のスキルや実績に興味を持った企業から声がかかることがあります。
有益な情報発信は仕事につながりますが、不適切な投稿により信頼を失うことも考えられるので、SNSでの発信は慎重に行うようにしましょう。
知人や友人に紹介してもらう
クライアントや同僚、友人など、自身のつながりから案件を紹介してもらう方法もあります。
信頼関係ができている分、案件獲得のハードルは低くなるでしょう。また、プラットフォームを活用しないため手数料がかからず、案件単価が目減りすることを防げます。
一方で、短期間での人脈形成は難しく、また、単なる知り合い程度では紹介につながりにくい側面もあります。そのため、日頃から人間関係を築く努力が必要でしょう。
まとめ
この記事では、SAPコンサルタントの副業を検討している方向けに、SAPの副業需要や将来性、副業のメリット・デメリット、案件獲得の方法などを解説しました。
SAPコンサルタントは2027年問題を背景に人材需要が高まっており、向こう10年はこの傾向は続く可能性があります。
SAPに関する高い専門性が求められますが、スキルや経験があれば高い報酬が期待できます。
SAPコンサルタントとしてキャリアアップや独立を考えている方は、まずは副業から始めてみるのもいいかもしれません。
本記事が、SAPコンサルタントの副業を始める一助となれば幸いです。